書籍紹介
- タイトル:また、同じ夢を見ていた
- 著者 :住野 よる
- 出版社 :双葉文庫
読もうと思ったきっかけ
「君の膵臓をたべたい」を知人から借りて読んでとても面白かったため、その作者である住野よるさんの次作品ということで読んでみました。
「君の膵臓をたべたい」についてもブログに記載したいのですが、知人にすでに返してしまっているため掲載できず。
概要
「人生とは和風の朝ごはんみたいなものなのよ」小柳奈ノ花は「人生とは~」が口癖のちょっとおませな女の子。ある日、彼女は草むらで一匹の猫に出会う。そしてその出会いは、とても格好いい”アバズレさん”、手首に傷がある”南さん”といった、様々な過去を持つ女性たちとの不思議な出会いに繋がっていき――――。大ベストセラー青春小説『君の膵臓をたべたい』の住野よるが贈る、幸せを探す物語。
~本書カバーから引用
小学校の国語の授業で幸せとは何かを考えることになった。
主人公である小柳奈ノ花はその答えを見つけるために3人の女性を訪ねて答えを見つけるお話しです。
3人の女性は「南さん」「アバズレさん」「おばあちゃん」ですが、全員奈ノ花に幸せの答えのヒントを伝えてはいなくなります。
南さんの考える幸せとは、「自分がここにいていいって、認めてもらえることだ」
アバズレさんの考える幸せとは、「幸せとは、誰かのことを真剣にかんがえられるということだ」
おばあちゃんの考える幸せとは、「今、私は幸せだったって、言えるってことだ」
この3つのヒントをいただいた奈ノ花の出した「幸せとは何か」の答えとは・・・
そしていなくなった3人の女性は、一体どこへ。
感想
この物語では国語の授業で課された「幸せとは何か」の答えを探すストーリーです。
幸せとは何かを見つめなおすことはもちろんですが、主人公の奈ノ花の口癖が「人生とは~」なので、人生に関してもたくさん考えさせられます。
幸せと人生を考えるこの小説自体が国語の授業のようですし、そういった文章がたくさん出てきます。
例えば、「人生って虫歯と一緒よ」とか「人生とはプリンと一緒だ」など人生を何かに例える文章がたくさん出てきます。
それぞれの意味合いは、本作を読んでみてください。
本作を読んでみて、私が一番いいなと思った幸せを現す言葉は、アバズレさんの「誰かのことを真剣に考えられるということ」です。
この言葉、とっても奥深い感じがします。
「小学生からもう一度やり直したい」「あの時の判断、あの時のセリフ変えたい。」こういったことを思う人は多い。私も大いに思う。
何気ない行動や判断、セリフでも覚えていることってないですか?きっとその覚えている行動や判断、セリフは人生において重大な節目であることが多い。
重大な節目っていうのは後からわかるわけで、その時は何気ないひと時なのです。
誰かその時にちゃんと教えてくれないかな。
私自身、この主人公の奈ノ花ちゃんのように人を小馬鹿にするようなところがありますので、周りと協調して生きていけるように気を付けないといけないと改めて感じました。
最後に「薔薇の下で」という言葉の意味がわかるだろうか。私は知らなかった。
本作を読んで知りました。
本作を読んで皆さんにもぜひ知ってほしい言葉なんですが、ググるとすぐに出てきますので、ここで紹介します。
英語で「薔薇の下で」(under the rose)というのは「秘密、内緒」って意味らしいです。
アバズレって言葉の意味も初めて知りました。こういった言葉について自身の知識にもなりましたし、内容も面白くてとても満足する作品でした。
評価
「君の膵臓がたべたい」に続きとても面白かったです。面白いだけではなく、自身の勉強にもなります。次作も読んでみよう。
幸せと、人生とは何かを見つめなおす、とてもほっこりする小説でした。
主人公の性格上、人付き合いが苦手な方にもおすすめする一冊です。
ありがとうございました。
著者紹介
住野 よる
高校時代より執筆活動を開始。2015年『君の膵臓をたべたい』でデビュー。同作で2016年「本屋大賞」第2位、Yahoo!検索大賞【小説部門賞】など、数多くの賞を受賞した。他の著書に『よるのばけもの』『か「」く「」し「」ご「」と「』『青くて痛くて脆い』がある。
~本書カバーから引用
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