凶犬の眼 【柚月 裕子・角川文庫】捜査のためなら俺は外道にでもなる。

書籍紹介

  • タイトル:凶犬の眼
  • 著者  :柚月 裕子
  • 出版社 :角川文庫

読もうと思ったきっかけ

前作の孤狼の血が面白すぎて、その続編ということで読んでみました。虎狼の血は一気読みだったので、楽しみにしていた一冊です。
いつもは文庫本を読みますが、この本はまだ発売されて間もないため文庫本がありません。単行本は高いのですが、この本は読みたいので価格は気にせず購入しました。

概要

所轄署から田舎の駐在所に異動となった日岡秀一は、穏やかな毎日に虚しさを感じていた。そんななか、懇意のヤクザから建設会社の社長だと紹介された男が、、敵対する組長を暗殺して指名手配中の国光寛朗だと確信する。彼の身柄を拘束すれば、刑事として現場に戻れるかもしれない。日岡が目論むなか、国光は自分が手配犯であることを認め「もう少し時間がほしい」と直訴した。男気あふれる国光と接するにつれて、日岡のなかに思いもよらない考えが浮かんでいく……。

~本書カバーから引用

前作の「孤狼の血」の最後にその後の年表があります。(p450-P451参照)
大上の血を受け継いだ日岡秀一が中津郷地区駐在所に転属した平成元年から平成3年の広島県警本部捜査四課に配属されている期間について記載されている。内容はもちろん暴力団と警察である。

感想

読んでみた感想としては、いろいろと勉強になりました。前作は正義って何って考えさせられましたが、本作では仁義って何?ってことを考えさせられました。

暴力団も普通の社会とあんまり変わらないところあるんですね。
偽名を使ってみたり、名前を呼ばれたら嬉しいと思ったり。普通、名字にさん付けで呼ばれるより名前で呼ばれた方が親近感がわくし嬉しいですよね。

それに暴力団であっても会社であっても組織の上に立つ人ってやっぱり立派な人がなるもんですね。立派な管理職になるような人は自分よりも部下をちゃんと思ってますね。残念ながら私の勤めてきた会社の管理職はポンコツばかりでしたので、業績も散々たる状況でした。

部下は上司のために死ぬことはない。けれど上司は部下のために死ねる。こういった思いを持った上司にぜひなりたい。

人の目に映る善悪など、いい加減なものだ。愛想がいいとか、なにかくれるとか、動物を可愛がるとかいうだけで、人は簡単に相手を「いい人」と定義づける。

~本書P85-P86から引用

本書にこの表現が出てきます。その通りですよね。人間の思いなんて簡単なもので○○好きには悪い人はいないとかよくわからない理論の典型ですよね。どんな世界にも悪い人はいますし、逆にどんな世界にもいい人もいます。人はそれぞれ。付き合う人を考えていきたいと思いました。

「手酌が似合うようになっちゃあ、いけんよ。」「手酌が似合う男は、ろくな死に方せんけえね」

~本書P316から引用

このセリフは「小料理や 志乃」の晶子が日岡に言ったセリフです。私もよくお酒を飲むんですが、正直、お酒を注がれるより、手酌の方が自分のペースで飲めるから好きだったんですが、これからはなるべく注いでもらいたいと思いました。

評価

面白いです。おすすめです。
ただし、この本を読まれる前にぜひ前作の孤狼の血を読むことをお勧めします。
前作を読まないとおそらく半分も楽しめません。

前作の「孤狼の血」はこちらからどうぞ。

著者紹介

柚月裕子

1968年、岩手県出身。2008年『臨床真理』で第7回「このミステリーがすごい!」で大賞を受賞し、デビュー。2013年『検事の本懐』で第15回大藪春彦賞を、2016年『孤狼の血』で第69回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)を受賞。他の著書に『最後の証人』『検事の使命』『アリの菜園-アントガーデン-』『パレートの誤算』『朽ちないサクラ』『ウツボカズラの甘い息』『あしたの君へ』『慈雨』『合理的にあり得ない 上水流涼子の解明』『盤上の向日葵』などがある。

~本書カバーから引用

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