13階段 【高野 和明・講談社文庫】第47回江戸川乱歩賞受賞作

書籍紹介

  • タイトル:13階段
  • 著者  :高野 和明
  • 出版社 :講談社文庫

読もうと思ったきっかけ

とあるサイトに本書の感想があり、とても面白いと記載があったためアマゾンで取り寄せました。
実は取り寄せてからしばらく読んでなかったのですが、部屋の片付けをしていたときに本書を偶然発見しました。
部屋の片づけを終えてから本書を読み始めました。

概要

犯行時刻の記憶を失った死刑囚。その冤罪を晴らすべく、刑務官・南郷は、前科を背負った青年・三上と共に調査を始める。だが手掛かりは、死刑囚の脳裏に蘇った「階段」の記憶のみ。処刑までに残された時間はわずかしかない。二人は、無実の男の命を救うことができるのか。江戸川乱歩賞史上に燦然と輝く傑作長編。

~本書カバーから引用

東京の浜松町駅の近くにある飲食店でお酒を飲んでいた佐村恭介と本作の主人公である三上純一が喧嘩。喧嘩の結果、足元をすくわれるような体制で後頭部から床に落下した佐村は頭蓋骨骨折と脳挫傷を起こし死亡した。三上は実刑2年を言い渡される。
三上は1年8か月の服役を終え仮出獄の許可を得た。服役中にお世話になっていた刑務官の南郷正二から頼みごとをされる。頼みごとの内容は「死刑囚(樹原亮死刑囚)の冤罪を晴らす」ことだ。

事件の内容は、宇津木耕平とその妻の康子が自宅で斧や鉈などの大型の刃物で殺害された。自宅からは被害者の預金通帳、印鑑、キャッシュカードが入った財布が持ち出されていることがわかった。捜査陣は現場から300メートルほど離れた場所でバイク事故を起こしていた樹原亮という青年に注目した。樹原の持ち物の中に宇津木耕平のキャッシュカードが入った財布を発見したのである。さらに後の鑑定で樹原の衣類からは3種類の血液が検出された。樹原本人と二人の被害者のものである。

これにより、樹原は強盗殺人の容疑で逮捕され、起訴され、死刑となる。

樹原はバイク事故のショックで犯行時刻の前後数時間の記憶を失うが、唯一「階段」の記憶のみを思い出す。

自宅からなくなった預金通帳と印鑑は見つかっていない。預金通帳と印鑑、そして「階段」これらを手掛かりに三上と南郷は死刑囚である樹原の冤罪を晴らすことができるのか。真犯人はいるのか・・・

感想

後半は一気読みでした。途中、なかなか進展しない部分もあり読むのが退屈になる部分もありましたが、特に後半は面白い。
樹原の死刑執行が先か、真犯人を見つけるのが先か。この時間的制約もあることからどんどん急いで読まないとという気にさせられました。

死刑制度・刑務所・刑務官・死刑囚・前科者の更生・犯罪者の家族のことなどディープなテーマが次々描かれています。この本を執筆するためにどれだけ時間と労力をかけて調べたんだろう。
ところどころ、やはり用語が難しかったりしますが、それでもストーリーとしてはサクサク読めます。

最後、謎のまま終わった部分もありますが、大筋としては大満足でした。

ちなみに13階段というのは死刑台の段数だと思ってました(私だけ?)が、本書によると明治以降の日本の死刑制度史上において、13階段の死刑台が作られたことはないそうです。唯一の例外は、戦争犯罪人処刑のために作られた巣鴨プリズンの絞首台だが、それはアメリカ軍の手によるものだ。日本の死刑台は19段あったらしいが、死刑囚に階段を上らせる際に事故が多発したため改良し、床が二つに割れて地下に落下する「地下絞架式」になったそうです。

死刑判決の言い渡しから死刑執行までの手続き数は13手続きらしい。このことからも13階段というのが死刑を連想することになっているみたいです。

評価

読む前から面白いという感想をとあるサイトで見ていたので面白いんだろうなと思って読んでましたが、やはり面白いです。
おすすめです。

高野和明さんの作品はどれも面白いらしいので、他の作品も読んでみたいと思います。
おすすめの作品があれば、教えてください。

著者紹介

高野 和明

1964年東京生まれ。自主映画製作を経て、’84年より岡本喜八氏の門下に入り、映画やテレビなどの撮影スタッフとなる。’89年渡米し、ロサンゼルス・シティカレッジで映画演出、撮影、編集を学ぶ。’91年に同行を中退後、帰国して脚本家となる。’01年に本書で第47回江戸川乱歩賞を受賞。他著書に『グレイヴディッガー』『K・Nの悲劇』(ともに講談社文庫)等がある。『6時間後に君は死ぬ』(講談社文庫)の映像化で映画監督デビュー。

~本書カバーから引用

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